「認知症サポートキッズ養成講座」関連資料
小さいときから、認知症高齢者を知り、理解しようとする気持ちをもってもらうことが、広い意味で高齢者虐待防止につながっていくと考えます。
葛飾区の地域包括支援センター新宿では、小学校低学年向けに認知症について理解してもらおうと「認知症サポートキッズ養成講座」の取り組みを行っています。
ご厚意でその資料を頂きましたので、ここにご紹介させていただきます。
「認知症サポートキッズ養成講座」資料
子ども向け認知症サポーター養成講座 出前チラシ
子ども向け認知症サポーター養成講座 紙芝居概要版
子ども向け認知症サポーター養成講座 カリキュラム 小学生低学年用
子ども向け認知症サポーター養成講座 手作り絵本 小学生用
高齢者虐待に関連する用語
- 介護殺人・介護心中
- 正確な統計がないものの、介護保険制度が導入された2000年から2009年までの間に400件以上を超え、2005年以降増加傾向にある。加害者の4分の3は男性が占めている(夫33%、息子33%)。
(東京新聞2009年11月2-日朝刊)(参考文献:加藤悦子『介護殺人――司法福祉の視点から――』クレス出版、2005年)。
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 居宅介護支援事業所、介護予防支援事業所、各種施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設)等に所属し、介護保険制度上で規定されているケアマネジメント業務を担う。
- 居宅介護支援事業所
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)が所属する事業所。介護の必要な人、もしくはその家族にとって、もっとも身近な相談窓口といえる。
介護保険サービスを利用するものは、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーと契約を行い、居宅介護支援計画書の作成を依頼し、その計画に基づいて必要なサービスを利用することとなる。
- ケアマネジメント業務
- 介護保険制度の下で、要介護認定審査により要支援もしくは要介護と認定された要支援者、要介護者と契約を行い、本人の望む暮らしの実現のために行う業務のこと。
具体的には、本人の意向を尊重しながら、①必要な情報を取得し、②課題分析を行った後に③居宅介護支援計画書を作成し、④本人・家族を含む担当者との会議を開催し、⑤本人の同意を得たのちに必要なサービスを手配し、その後の⑥サービスの振り返り、微調整等を行いつつ、介護全般に関する相談、関係機関との連絡調整等一連の業務をいう。
(参考文献:土屋典子・長谷憲明『居宅サービス計画書のつくり方・サービス担当者会議の開き方・モニタリングの方法』潮谷出版)
- 高齢者虐待
- 高齢者虐待の定義は、定義する機関や研究者によって多少異なる。だがおおよそ、家族・親族など高齢者と特定の関係にある者による、高齢者に対して身体的な傷や苦痛、精神的な苦痛をもたらす行為、と捉える点は共通している。
わが国の高齢者虐待防止法は、「養護者による高齢者虐待」とは次に該当する行為をいう、として虐待の種類を5つあげている(①身体的虐待、②ネグレクト、③心理的虐待、④性的虐待、⑤経済的虐待)。
(参考文献:日本高齢者虐待防止センター(高齢者処遇研究会)編『高齢者虐待防止トレーニングブック』中央法規)
- 高齢者虐待防止法
- 正式には、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」という。平成17年11月に公布され、18年4月から施行になった。本法の最大の特徴は、高齢者虐待を受けた高齢者の保護とともに、養護者の負担軽減を図るなど、虐待防止のために「養護者に対する支援」を実施するよう、国や市町村に求めていることである。また、その目的を法の名称に組み込んでいることである。
- 高齢者虐待防止ネットワーク
- 高齢者虐待の早期発見、必要な情報収集、総合的な判断、的確な介入支援のために、連携・協働する関係各機関の関係網を指す。
厚生労働省が市町村・都道府県に例示した防止ネットワークのモデルは、a保健医療福祉サービス介入ネットワーク(虐待事例に関与する職種で随時チームアプローチを行う職種間ネットワーク)、b「関係専門機関介入支援ネットワーク」(保健医療福祉分野の通常の相談範囲を超えた専門的対応が必要とされる場合に協力を得る専門機関のネットワーク)、c「早期発見・見守りネットワーク」(民生委員や地域団体等による早期発見と見守り機能を果たすネットワーク)の3つである。
(参考:厚生労働省老健局『市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について【第一報】』(2005年度末))
- 男性介護者
- 妻や、親、子を介護する男性。2010年現在、全国で100万人を超え、介護者の3人に一人を占めていることが「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」事務局長の津止正敏立命館大学教授による国の調査で明らかとなった。
男性介護者は女性介護者と比較して、家事、介護、地域社会とのつながり方のそれぞれの面でスキルが低いとされ、感じるストレス等も高まることが予測されている。こうした現状に対して、各地で男性介護者を支援する取り組みが始まっている。
(参考:津止正敏 立命館大学教授 「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」)
- 地域包括支援センター
- 2005年の介護保険法改正により導入された。地域ケアの中核となることを期待されて創設された総合的なマネジメント機関である。地域包括支援センターが実施する地域支援事業のうち必須の事業は、①介護予防ケアマネジメント、②総合相談事業、③権利擁護事業(高齢者虐待防止を含む)、④包括的・継続的ケアマネジメント支援(支援困難事例に対する介護支援専門員への支援)である。
(参考文献:社団法人日本社会福祉士会『地域包括支援センターのソーシャルワーク実践』中央法規、2006年)
- 養護者支援
- 高齢者虐待防止法において、「養護者」とは、高齢者を現に養護するものであって、要介護施設従事者等以外のものと定義されている。この場合の養護者は介護している家族である場合が多いが、高齢者が自立しているため介護してはいないが生活の世話をしている家族の場合もある。また、家族・親族ではないが現に同居して介護/世話をしている人も養護者に含まれる。
高齢者虐待防止法では、「市町村は、養護者による高齢者虐待の防止及び養護者による高齢者虐待を受けた高齢者の保護のため、高齢者及び養護者に対して、相談、指導及び助言を行うものとする」(高齢者虐待防止法第6条)、さらに「市町村は、第6条に規定するもののほか、養護者の負担の軽減のため、養護者に対する相談、指導及び助言その他必要な措置を講ずるものとする」(高齢者虐待防止法第14条)として、法の中に養護者への支援を明確に位置づけている。
(参考:高齢者虐待防止法第6条、第14条)